
ご相談の病名/症状
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アルコール性肝硬変
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腹水の再発予防目的
これまでの経緯・症状
48歳女性は、数ヶ月前より腹部の張りを自覚し病院を受診。アルコール性肝硬変と診断され、入院治療と利尿剤の服用により一時的に症状は落ち着きました。
入院時にはアルブミン値が2.0と低く、栄養状態の悪化が見られましたが、治療により2.9まで回復。しかし、その後腹水の再発リスクに不安を抱く。
病院の治療と併用して、何とか出来る方法はないかと当薬舗に漢方相談に至る。
【その他、患者様が感じている症状】
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低栄養による全身のだるさ
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軽度の貧血傾向
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腹部膨満感への不安
漢方相談前の血液所見
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患者様の症状に対する漢方のご提案内容
以下の点を重視した漢方の組み合わせを提案しました。
ご提案内容
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栄養状態の向上を図る
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貧血の改善をサポート
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腹水の再発予防を意識した体質改善
漢方により肝機能をサポートしながら、身体全体の基盤を整えることを目指す。
漢方の利用後の経過と数値の推移
※表は左右にスクロールする事が出来ます。
項目 | 服用前 | 服用2ヶ月後 |
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ALB(アルブミン) | 2.9 | 3.6 |
T-Bil(総ビリルビン) | 1.4 | 0.7 |
CHE(コリンエステラーゼ) | 88 | 115 |
RBC(赤血球数) | 3.30 | 3.70 |
Hb(ヘモグロビン) | 11.3 | 12.5 |
漢方服用後、少しずつ血液検査値に改善が見られ、服用開始から2ヶ月で腹水の再発がほとんど見られない状態に。
患者様は今後も体調維持と腹水予防を目的に、漢方の継続を希望されています。
漢方を始めて変化を感じられた期間
服用開始から2ヶ月以内に血液検査数値の改善と腹水再発リスクの軽減を実感。
担当者の解説
アルコール性肝硬変では、栄養不良や腹水の管理が治療の大きなポイントとなります。
本症例では、利尿剤治療を継続しながら、漢方で体内の栄養状態を改善し、肝機能を補うアプローチを行いました。
その結果、アルブミンをはじめとする血液検査の改善がみられ、腹水の再発も防げたことから、今後の体調維持への意欲も高まっています。
漢方はあくまでサポート役ですが、体質改善の一助となる可能性を示した症例といえます。
※上記は過程を記したもので効果を表すものではありません。