
ご相談の病名/症状
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原発不明がんによる胸水貯留
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リンパ節転移
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咳、痰、息苦しさ
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食欲低下、むくみ
これまでの経緯・症状
61歳男性は、胸水貯留による息苦しさ、咳、痰の症状に悩まされ、胸水を抜くために入退院を繰り返す。その後は一時的に症状が軽減するものの、再び胸水が溜まるまでの間隔が短くなり、不安感が高まる。加えて、食欲低下とむくみもみられ、全身状態の悪化が懸念される状況。
病院の治療と併用して、何とか出来る方法はないかと当薬舗に漢方相談に至る。
【その他、患者様が感じている症状】
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胸水が溜まることで再発する息苦しさ
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咳や痰による不快感
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食欲低下と体重減少
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全身のだるさ・むくみ
患者様の症状に対する漢方のご提案内容
以下の点を重視した漢方の組み合わせを提案しました。
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体内の水分循環を改善:胸水の溜まりやすさを緩和
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肺の炎症緩和と咳・痰の軽減
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栄養状態のサポート:食欲増進と体力維持を目指す
無理なく継続できるよう、徐々に体調に合わせて組み合わせを調整する方針で漢方を提案。
漢方の利用後の経過と数値の推移
漢方服用4ヶ月後には以下のような変化がみられました。
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胸水が溜まるペースが遅くなり、息苦しさが大幅に緩和
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咳や痰もほとんど出なくなる
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食欲が回復し、体重が5kg増加(171cm 60kg → 65kg)
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休止していたウォーキングも再開できるようになる
その後、漢方の種類と量を減らして2ヶ月間様子を見たところ、改善状態が維持。
相談前 | 服用7ヶ月後 | |
アルブミン(ALB) | 2.6 | 3.6 |
炎症反応(CRP) | 3.9 | 1.15 |
リンパ球比率 | 14.6 | 17.2 |
漢方を始めて変化を感じられた期間
服用開始から約2〜4ヶ月で症状の緩和と血液検査数値の改善が見られた。
担当者の解説
本症例では、原発不明がんによる胸水とそれに伴う呼吸器症状、栄養状態の悪化が課題となっていました。
漢方では水分代謝の調整、炎症緩和、栄養状態サポートの3方向からアプローチすることで、胸水の進行を抑え、患者様の日常生活の質(QOL)向上に寄与できたと考えられます。
ウォーキング再開という報告からも、体力の回復と生活意欲の向上がうかがえ、今後も継続的なケアを続けていく予定です。
※上記は過程を記したもので効果を表すものではありません。