
ご相談の病名/症状
-
腎不全(通院中)
-
クレアチニン高値、eGFR低値
-
皮膚のかゆみ
-
高血圧、貧血
-
夜間頻尿(3〜4回)
これまでの経緯・症状
M様(82歳・男性)は腎不全で通院されており、血液検査でクレアチニンの上昇が続き「もうすぐ透析になる」と言われたことをきっかけにご相談をいただきました。
2年前の検査ではクレアチニンが2程度だったものが、相談時には4.42まで上昇し、eGFRも10.8と低い状況でした。むくみやふらつきなどの強い自覚症状はない一方で、皮膚のかゆみがあり、夜間頻尿も続いていました。
また高血圧と貧血があり、病院薬も服用中。透析までの期間をできるだけ延ばし、可能なら回避を目指したいという強いご希望がありました。
初回の血液データ
-
ALB:3.4
-
BUN:74
-
UA:4.8
-
CRE:4.42
-
eGFR:10.8
-
WBC:36
-
RBC:342
-
Hb:11.4
-
K:4.9
-
Na:137
【その他、患者様が感じている症状】
-
皮膚のかゆみ
-
夜間頻尿(3〜4回)
-
高血圧
-
貧血傾向(検査値より)
-
むくみ、ふらつきは自覚なし
患者様の症状に対する漢方のご提案内容
数値と体調の両面を見ながら、以下の方向で漢方を組み立てました。
-
血液の質・循環に配慮したサポート
クレアチニンが高値で推移しているため、体内の代謝・循環を支える目的で、解毒・血流環境に配慮した処方を提案。
加えて、貧血傾向があり病院薬も併用されているため、血液環境のサポートに「増血」を意識した生薬を組み合わせました。 -
皮膚のかゆみへの配慮
腎機能低下でみられやすい皮膚症状に対し、体内の不要な熱や不快感に配慮し、かゆみの負担を軽くする方向で処方。 -
腎機能低下の進行に配慮した補腎アプローチ
eGFRが低く、夜間頻尿もあるため、腎の負担を増やしにくい形で補腎を意識した処方を併用し、体調維持を目指しました。
同時に、血液データの定期確認と食生活の改善についてもフォローを行った。
漢方の利用後の経過と数値の推移
服用開始から1ヶ月時点で、クレアチニン以外の項目について「良い方向の変化がみられた」とのことでした。
4ヶ月服用後の検査では、クレアチニンおよびeGFRは大きく変わらず、数値としては安定した推移が確認されました。以降も多少の上下はあるものの、大きな上昇はみられないとのことで、今後も継続をおすすめしています。
【相談時】
-
CRE:4.42
-
eGFR:10.8
【服用4ヶ月後】
-
CRE:4.42
-
eGFR:10.8
※その後も多少の変動はあるが、大きな上昇はないとのこと。
漢方を始めて変化を感じられた期間
-
1ヶ月頃:クレアチニン以外の項目や体調面で変化の実感があった
-
4ヶ月頃:クレアチニン・eGFRが大きく変動せず、安定推移が確認された
担当者の解説
eGFRが10台の腎不全では、体調の波が出やすく、また「急な数値悪化」を避けることが重要になってきます。とくにクレアチニンが高値で推移する段階では、短期で大きな改善を狙うというよりも、数値の急上昇を防ぎながら、体調と生活の質を守る視点が大切です。
本症例では、貧血や皮膚のかゆみ、夜間頻尿といった腎不全に関連しやすい負担を抱えつつ、病院治療も継続中でした。そこで、血液環境のサポート、皮膚症状への配慮、腎の負担軽減を意識した補腎の考え方を組み合わせ、継続しやすい形で体調管理を進めました。
結果として、4ヶ月時点でクレアチニンとeGFRが大きく変動せず推移している点は、今後を見据えるうえで一つの指標になり得ます。引き続き、定期検査を踏まえながら、無理のない形で調整・サポートを継続していく予定です。
※上記は過程を記したもので効果を表すものではありません。



