肝細胞がんに伴う腹水のご相談(81歳男性)/漢方併用による経過事例

 

ご相談の病名/症状

 

  • 肝細胞がんに伴う腹水

 

これまでの経緯・症状

 

患者様は数年前に肝細胞ガンと診断され、抗ガン剤による治療を継続されていましたが、1年ほど前から腹水が溜まり始め、定期的に腹水穿刺を行うように。穿刺してもすぐに腹水が溜まる状態で、体調や生活への負担も大きく、病院の治療と併用して、何とか出来る方法はないかと当薬舗に漢方相談に至る。

 

【その他、患者様が感じている症状】

 

  • 腹部の張り
  • 食欲の低下
  • 全身のだるさ
  • 活動量の低下(散歩も難しい状態)

 

患者様の症状に対する漢方のご提案内容

 

肝機能の低下や低栄養状態が背景にあると考え、以下のような方向での漢方対策をご提案いたしました。

 

ご提案内容
  • 体内の炎症をやわらげる

  • 肝臓の働きを支える

  • 栄養状態の維持・改善をサポート

  • 不要な水分の巡りを整える

 

無理なく継続できるよう、徐々に体調に合わせて組み合わせを調整する方針で漢方を提案。

 

漢方の利用後の経過と数値の推移

 

漢方の服用開始から約3週間後には、張っていたお腹の違和感が少しずつ和らぎ、1ヵ月後には外出して散歩に行けるまでに回復されました。体調全体の回復を実感されており、現在も継続して漢方を服用しながら経過を見守っています。

相談前 服用1ヶ月後
アルブミン(ALB) 2.9 3.6
t-bil 1.5 1.15
AST 40 32
ALT 20 18
γ-GTP 138 変化の記載なし
CRP 0.50 0.46

 

漢方を始めて変化を感じられた期間

 

服用後 約3週間でお腹の張りに変化があらわれ、1ヵ月後には散歩できるほどに体力・体調が上向きに。

 

担当者の解説

 

腹水は、肝細胞癌において進行期によく見られる合併症のひとつで、門脈圧亢進、低アルブミン血症、炎症性サイトカインの影響など、複合的な要因が関与します。本症例では、Alb 2.9、CRP 0.50、T-Bil 1.5 という検査所見から、肝合成能の低下と軽度の炎症が見られ、またγ-GTPの上昇は胆汁うっ滞あるいは肝細胞障害の示唆も考えられました。

こうした背景を踏まえ、漢方の視点では「脾虚湿盛」や「気血両虚」「肝鬱血瘀」などの状態を想定。

  • 肝機能を支える補中益気・理気類

  • 水分代謝を助ける利水剤

  • 全身の循環を促進する活血薬

などを慎重に組み合わせました。3週間ほどで腹部の張り感が緩和し始め、1ヵ月後には散歩が可能になるまでに活動レベルが回復されたことは、肝機能と水分代謝のバランスが一定程度整ってきた証と考えられます。今後も、肝の解毒機能や血漿蛋白合成能を支える対策を継続しつつ、全身状態の安定をめざして参ります。

 

※上記は過程を記したもので効果を表すものではありません。

 

ご相談方法(電話・メール)/土曜・祝日も対応しています。

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