
ご相談の病名/症状
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卵巣がん(診断済み)
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腹水(お腹の張り・苦痛)
これまでの経緯・症状
卵巣がんの診断時点で既に腹水が認められており、抗がん剤治療を重ねた結果、腫瘍は縮小したものの、腹水の緩和には結びつかない状況でした。腹水は多量ではないものの、常にお腹の張りが続き、患者様に苦痛を与えていました。また、漢方治療に対しては、以前薬剤でアレルギー反応を起こした経歴があったため、少量からの導入を希望されました。
以上の状態により漢方相談に至る。
【その他、患者様が感じている症状】
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持続する腹部の張りによる不快感
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漢方治療に対する薬剤アレルギーへの不安
患者様の症状に対する漢方のご提案内容
全身状態を総合的に評価し、主に以下の漢方ご提案。
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炎症緩和・免疫向上:抗がん剤治療後も持続する炎症反応を抑え、免疫力を高める。
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利水作用:腹水の排出を促進し、腹部の張りや苦痛を軽減。
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栄養状態の保持は、食事で補えているとの判断から今回は様子見とし、主に炎症緩和・免疫向上・利水を中心に、サンプルから少量スタートする組み合わせをご提案。
漢方の利用後の経過と数値の推移
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服用開始から約1週間で、お腹の張りが解消される効果が現れました。
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その後、利水作用をもたらす漢方の量を徐々に減薬し、1か月後には利水漢方を中止。
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現在は免疫強化を中心とした漢方を継続中。
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腹水が少量のタイミングで漢方を開始したため、通常より早い段階で効果が現れたと考えられます。
本症例は、腹水や症状の改善が主な評価指標となっており、具体的な血液検査数値の変化については記載されていませんが、症状の改善をもって効果が確認されています。
漢方を始めて変化を感じられた期間
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漢方服用開始から約1週間で腹部の張りが解消され、効果を実感。
担当者の解説
卵巣がん治療後、抗がん剤による腫瘍縮小にもかかわらず、腹水が残る症例では、炎症が持続し免疫機能が低下していることが背景に考えられます。今回の漢方治療は、炎症緩和と免疫向上、さらに利水作用によって腹水の排出を促す多角的アプローチを採用しました。薬剤アレルギーの既往があったため、サンプルから少量から開始し、慎重に様子を見ながら処方量を調整した結果、服用開始から約1週間で症状が改善し、1か月後には利水漢方を中止できるまでに至りました。今後は免疫強化を中心に漢方治療を継続し、さらなる症状改善を目指していきます。
※上記は過程を記したもので効果を表すものではありません。