高血圧・糖尿病・腎臓病を併発した症例における、漢方併用の経過事例

 

ご相談の病名/症状

 

50代:男性

・高血圧
・糖尿病
・腎臓病(慢性腎不全)

 

これまでの経緯・症状

 

50代の男性で、約10年前に糖尿病性壊疽を足先に生じた既往があり。その後も高血圧や糖尿病による血管障害が続き、腎臓の機能が徐々に低下。相談時の血液検査ではクレアチニン(Cre)が4.5と高値を示し、推算糸球体濾過量(eGFR)は13、医師からは透析導入を強く勧められる状況。その他の詳細な血液データは不明ですが、腎機能の悪化に加えて貧血傾向も見られ、全身状態への懸念があります。

以上の状態により漢方相談に至る。

 

【その他、患者様が感じている症状】

 

・倦怠感や疲れやすさ
・手足の冷え、しびれ感(糖尿病性末梢神経障害の可能性)
・血圧のコントロール不良による頭重感、動悸

 

患者様の症状に対する漢方のご提案内容

 

全身状態を総合的に評価し、主に以下の漢方ご提案。

 

ご提案内容

・血液浄化と炎症緩和を主眼とする漢方処方
高血圧と糖尿病による慢性炎症や血管障害を考慮し、血液の滞りを軽減しながら、腎機能を保護することを目指す。

・腎臓の働きを補い、造血作用を促す漢方
クレアチニン値が高く、貧血傾向もあるため、腎を補いながら血液を増やすことを期待できる漢方を追加。

・血糖コントロールや高血圧ケアをサポートする漢方
糖尿病や高血圧が進行すると腎機能悪化の要因となるため、適度な利尿作用や血圧調整をサポートする生薬を考慮。

 

複数疾患を合併しているため、全体的なバランスを整える事が重要とされ、様々な視点から造血、利尿等を含めクレアチニン低下を目指す。

 

漢方の利用後の経過と数値の推移

 

漢方を始めて1年ほど経過し、透析の導入は今のところ回避できています。倦怠感がやや改善し、日常生活を維持できるようになったとの報告があります。腎機能の維持・改善を目標に病院での治療や食事療法、運動療法と併行しながら、漢方を継続中。

・開始時

・Cre:4.5
・eGFR:13

・服用1年後

・eGFR:14(わずかながら改善)

Cre値の大きな改善はまだみられないものの、急激な悪化は抑えられていると考えられます。

 

漢方を始めて変化を感じられた期間

 

1~2ヵ月の服用では目立った変化は少なかったものの、半年以降から倦怠感の軽減や血圧コントロールの安定化を感じ始め、現在もゆるやかな改善傾向が続いています。

 

 

担当者の解説

 

糖尿病や高血圧による慢性腎臓病(CKD)は、最終的に透析導入を検討しなければならない段階に至ることが多く、特にeGFRが15以下という数値はステージ5(末期腎不全)に相当します。こうした状況では、クレアチニン値も高くなるため、腎機能のさらなる悪化を防ぎ、貧血や高血圧、糖尿病を総合的にケアすることが重要です。

今回の症例では、「血液浄化」「炎症緩和」「造血作用のサポート」という複数の目的を踏まえた漢方を用いることで、急激な腎機能低下が抑えられ、わずかながらeGFRが改善しました。漢方単独だけでなく、食事・運動療法や病院での内科的管理とあわせて継続することで、透析の導入時期を遅らせる、もしくは回避できる可能性があります。

今後も定期的な血液検査でクレアチニンやeGFR、ヘモグロビン(Hb)の推移を観察しながら、必要に応じて処方を調整していくことが望ましいでしょう。生活習慣や栄養管理に加え、血圧・血糖管理を適切に行い、腎臓への負担を最小限に抑えることで、患者様のQOL向上につなげることを目指します。

 

※上記は過程を記したもので効果を表すものではありません。

 

ご相談方法(電話・メール)/土曜・祝日も対応しています。

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